プーランク第二楽章、悲しく美しい主題がクラリネットによって紡ぎ出させる。早い第一楽章、第三楽章と対称的で、プーランクは一体何と言う感じ。ナイディックは、演奏者によるもの。父親の死に面して作曲したもので、クラリネットのさまざまな技巧が聴かれる。ナイディックは、次のように述べている
「1994年に、父であり、私の最初の音楽の教師であったアーヴィング・ナイディックを追悼して「イン・メモリアム」を作曲しました。彼は素晴らしい音楽家であり、素晴らしい人物でした。当初、この作品は個人的なものとして構想していましたが、多くの方々から演奏の依頼がありました。そして、1996年に第二部を加え、
「永遠の螺旋」という副題をつけ、作品は最終的な形に仕上がりました。第二部は表面的には第一部とは全く異なるように思えるかもしれませんが、実際には変容を表しています。第一部のメロディが薄れていき空気の中に消えていくと、そのメロディは消えた空気の中から再び現れ、形を取ろうとしますが、最終的には形を作ることができず、再び消えていくのです。」
ブラームスのクラリネットソナタは、ブラームスの晩年、創作意欲が衰えていたが、クラリネットの名手、リヒャルト・ミュールフェルトにあってインスパイアされて作曲されたもの。美しさの中に何か諦観なものを感じるのは、ブラームスが晩年に感じていたものなのか。
休憩後、フォーレ、ドゥヴァイヨンの独奏。フランス音楽はおてものと言う事だが、演奏中、突然、ピアノから手が離れて、バンザイのような状態になり、それから再び演奏に戻った。どうしたのだろう?最後に再びブラームス、クラリネットソナタ第2番。ふさわしい演奏だった。今日は、楽しい演奏だった。
プログラム
F.プーランク:クラリネットとピアノのためのソナタ FP184
C.ナイディック:In Memoriam for solo clarinet
J.ブラームス:クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.120-1
休憩
G.フォーレ:バラード 嬰へ長調 Op.19
J.ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番 変ホ長調 Op.120-2