2012年11月25日日曜日

伊藤恵 ベートーベンを弾く

 一橋大学兼松講堂で行われた伊藤恵のコンサートに娘と一緒に行く。
 兼松講堂に入るのは、入学式以来だろうか。思ったより小さかった。伊藤恵は、石でできているので、残響がヨーロッパのホールのようであると言っていたが、ホールが全体で響くような残響音はあまりなく、ドライな響きのように感じた。
 コンサートは、ベートーベン生誕250プロジェクトの一つで、西原稔がコンサートで解説していたが、ベートーベンのウイーン・デビューの時の作品、ピアノソナタ第二番、第八番「悲愴」、エグモント序曲(デビュー15年後の作品)、ピアノ協奏曲第一番で、最後にシューマンのトロイメライがアンコールで演奏された。どれも、ライブで聴くのは、初めての作品であった。CDでは聴くことのできぬ、伊藤そのものの演奏なのか、ピアノソナタは、共にテクスチュアのはっきりした演奏であった。ピアノ協奏曲第一番は、伊藤がミュンヘン国際コンクールで優勝直後、サヴァリッシュの指揮で弾いた曲で、今回、一橋のオケとの共演である。演奏は、素晴らしいものであった。最後のトロイメライは、心にしみいる名演であった。
 演奏終わった後、知り合いに会いに楽屋まで行く。彼女も、感無量のようであった。最後に娘と一緒に写真を撮って、兼松講堂を後にした。