2026年5月14日木曜日

NHK 交響楽団 第2063回 定期公演 Bプログラム

 今日は、サントリーホール
世界の山田和樹の指揮だが、完売ではなかったな。空席がチラホラ。しかし、今日は、興味深いプログラム。
 
 
 
 
 
曲目
― N響100年特別企画「邦人作曲家シリーズ」 ―
山田一雄/小交響詩「若者のうたへる歌」
ハルトマン/葬送協奏曲*
須賀田礒太郎/交響的序曲 作品6
ヒンデミット/交響曲「画家マチス」

指揮 : 山田和樹
ヴァイオリン : キム・スーヤン*

現在の世界状況に対する山田の思いが表れているようにも思える。これらの楽曲は第二次世界大戦前に作曲されたもの、それぞれ1937年,1939年,1939年,1934年で、それぞれ作曲者が置かれている状況での気分や思いが異なるベクトルとなって表現されている。39年は、ナチのポーランド侵攻、ノモンハン事件で日本軍が南進となる契機となった年。37年は日中戦争が始まった。34年はナチの台頭。
山田の小交響詩「若者のうたへる歌」は、片山杜秀によると、マーラーの影響を受け、時代の軍国主義を嫌悪する若者の心情を反映していると言う。ハルトマンは、10代の時、社会主義に未来の理想を見て、右翼に対して嫌悪を抱き、それが音楽に反映されていると言うが、ヒトラー政権の時もドイツから亡命せず、ミュンヘンにとどまった。
須賀田は、1933年からスプリングハイムの元で作曲を学び、ヒンデミットの「画家マチス」を研究し、それの結実として交響的序曲が作られるのだが、山田耕筰、諸井三郎、橋本國彦らが審査した「皇紀二千六百年奉祝管弦楽懸賞」の「序曲の部」に応募し入賞し、その後も日本放送局は、敗戦まで須賀田に作曲を依頼する。日本の戦時に呼応したものと考えることができる。ヒンデミットは、ナチの台頭を目の前にし、自らの新古典主義と折り合えると思っていたのだが、「画家マチス」は、ナチの目の止まるところになり、亡命せざるを得なくなる。

ハルトマンでヴァイオリンを演奏したキム・スーヤンは、何度か山田と共演して、今回が日本デビュー。音色は美しい。