オッテンザマーの父親は,ウィーンフィルの首席クラリネット奏者で,子供アンドレアスは,ベルリンフィル,兄のダニエルはウィーンフィルで首席クラリネット奏者である。たまたま,NHKクラシックでダニエルの演奏を聴いていて,それで今回聴いてみたしだい。とにかく驚いたのは,一緒に演奏したヴィンタートゥール・ムジークコレギウムで,最初,ベートーベンの「コラリオン」序曲が今までないような迫力と緊迫感で演奏された。こんな演奏は聴いたことがない。指揮者はいなくて,コンマスのロベルト・ゴンザレス=モンハスが指揮ぶりをしている。次に,J.シュターミッツ「クラリネット協奏曲」でアンドレアスの登場。初めて聴いた曲であったが,美しい曲で,クラリネットのカデンツァが夢見るような美しさで,アンドレアスの音楽性が表れていた。次に演奏されたのは,ダンツィ「モーツァルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲」,これは,技術的に難しいと思われる曲で,すごく早いパッセイジをひかなければならないが,ここでもアンドレアスの技術の高さに驚く。素晴らしいの一言。次に演奏されたのは,ウェーバーの「クラリネット小協奏曲」で,これも良かった。最後に,ヴィンタートゥール・ムジークコレギウムのベートーベン交響曲第7番,このオケは,知られていないが,素晴らしいオケで,7番も素晴らしい演奏。なかなか拍手がやまなかった。アンコールは,sukiyaki,ちょっと驚く。今回期せずして,聴いたコンサートであったが,今年1番のコンサートであった。