少し前に、片山杜秀の「クラシックの迷宮」で、アイスラーのだけど特集をやっていた。最初シェーンベルグの12音階技法で作曲していたが、共産党員となることで、次第に大衆のための曲を書くようになり、ナチの台頭でアメリカに亡命するが、第二次世界大戦後のアメリカの赤狩りで、東ドイツへ移り、東ドイツの国歌を作曲するなど東ドイツで尊敬される存在だった。今回の「ドイツ交響曲」が完成したのは、戦後で、初演されたのは、1959年であるが、ヴァイグレがこの曲を取り上げたのは、今日の状況と無縁ではないように思えるが、アイスラーが作曲した時の文脈とは違う。演奏は素晴らしいものであった。
指揮=セバスティアン・ヴァイグレ
ピアノ=ルーカス・ゲニューシャス
ソプラノ=アンナ・ガブラー
メゾ・ソプラノ=クリスタ・マイヤー
バリトン=ディートリヒ・ヘンシェル
バス=ファルク・シュトルックマン
合唱=新国立劇場合唱団(合唱指揮=冨平恭平)
ヒンデミット:主題と変奏 「4つの気質」
アイスラー:ドイツ交響曲 作品50(日本初演)